木の話

なぜ無垢がいいのか(無垢のメリット・デメリット)

2014.4.14

こんにちは。

このコラムでは

大工さんから聞いた木の話をさせていただこうと思っています。

 

木には大きく分けると無垢材と集成材のふたつに分かれます。

 

無垢材とは「木、そのまんま!」

集成材は長さの違う木を接着剤で再構成した“木質材料”と呼ばれるものです。

 

金額で言うと無垢材のほうが高く

集成材のほうが安価で手に入ります。

 

工務店の中には無垢材を好まないところもありますが

鯰組は無垢材にこだわって家を作っています。

 

無垢材は、傷もつきやすいし反りも出ます。

施工直後は湿気を含んでいるため反りやすく

引き戸が閉まりにくくなったりなれないと戸惑うことがあります。

冬場は木が乾燥してぐっと閉まるので

フローリングなどに使うと

1枚1枚の間隔が広くなってそこにゴミが溜まったりします。

また、だんだん乾燥していくので

木の表面に割れが入ることもあります。

 

高いくせに反ったり割れたり

無垢って良くないことばかりじゃないですか!!

 

いえいえ、

今挙げたデメリットのすべてがメリットの裏返しなのです。

 

無垢材は自然のものなので、呼吸します。

無垢材は天然の調湿効果を持っているのです。

 

表面の割れについては

面白い話を大工さんから聞いたことがあります。

「無垢は表面が割れてくるけどよ、

中はびしっと筋が通ってるんだよ。

集成材は表面は綺麗だけど、

中は細かい空洞がビシビシ入ったりしてて…

そりゃ計算上は問題ないかもしれないけど

こういうの見ちゃうと自分の家の構造材では

集成材は使えないよなぁ。」

とのこと。

無垢材は見た目は悪いけど芯の通ったしっかりしたやつなのです。

 

無垢材は年を追うことに味わいを増していきますが劣化しません。

集成材は作った時が一番きれい!!

あとは劣化していきます。

味わいを増すという点でも無垢材はおすすめです。

 

何より無垢材には

その肌触りの気持ちよさというメリットがあります。

特に杉などは柔らかくて傷はつきやすいけれど

素足で歩くと柔らかくでとても気持ちい!!

ついでに日本の杉をどんどん切って切って切りまくって

辛い花粉症ともおさらばしよう!!

 

…大きく出過ぎましたね。

 

自然のものは反ったり縮んだり

なかなか一筋縄ではいかないもの。

それとじっくり付き合っていくことで

家は育っていくのです。

 

こういうことを理解しないで短期的な目で家を見てしまうと

クレームにつながります。

 

無垢材を使いたがらない工務店は

単に安いものを売りたいということではなく

クレームにつながるからという理由もあるのです。

お客様からのクレームは

無垢の性質を発信してこなかったこちら側の問題でもあるので

悲しいことです。

 

というわけで

鯰組は無垢材にこだわります。

短期的な価値よりも長期的な価値を大切にし、

暮らしを育てていくことを楽しみたいというお客様には

やっぱり無垢しか無いんじゃないかなぁと

思うからです。

 

【無垢材】

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【集成材】※Wikipediaより